レスターの団結力を象徴。岡崎慎司が歌う「上を向いて歩こう」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

 しかも、入団時にはチームメイトの前で歌を披露している。プレミアリーグのクラブでは、新加入選手が一曲歌うことが恒例行事。岡崎がチョイスしたのは、『上を向いて歩こう』で、目をつぶりながら指を鳴らし、気持ちよく歌い上げた。

「プレミアリーグでは、新しく入ってきた選手は歌わないといけないんですよ。歌わなきゃいけないのなら、『しょうがないだろ』と。まあ、会心の歌を歌ったんですけど、意外と(評判が)よかったっぽくて。その後、(MFギョクハン・)インレルとか(MFエンゴロ・)カンテが加入してくると、そいつらが歌う度に、『シンジも行けよ!!』と言われるんです(笑)。でも、ここで歌ったら永遠に歌わされるなと思ったから、行かなかったんですけどね」

 誰からも慕(した)われる性格と、謙虚で笑みを絶やさない人柄の良さ――。だから、岡崎の周りには自然と笑顔ができる。

 しかし、自身を見つめる眼は常に厳しい。清水エスパルスでは「FWの8番手」としてスタート。一歩一歩階段を登り、ドイツのシュツットガルトに移籍したのは2011年1月のことだ。その後、マインツで2季連続のふた桁ゴールを記録し、プレミアリーグのレスターへやって来た。欧州挑戦から5年半で、プレミアの頂点に立ったことになる。

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