エイバル乾貴士、日本代表復帰へ「ここで結果を出すしかない」 (2ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Michiko Yamamoto ラファ・ウエルタ●撮影 photo by Rafa Huerta

「得点に関わるシーンがまだ少ない。最後のアイデアもまだ(足りない)。自分自身の持っているアイデアをもっと出していければ、チームの助けになると思いますし、そこを監督も評価してくれると思います。まずは自分の得意なプレーを出すことを常に考えています。それを出せない試合はやっぱりだめなんです」

 そう話す乾は、取材中に通りかかるチームメイトに向かって'Vamos!'と陽気に声をかけ、くったくのない笑顔を見せる。そんな笑顔の直後、「必死なんです。毎日が」とその声が真剣さを帯びた。

 乾には、ワールドカップという目標がある。しかし、日本代表の指揮官がハリルホジッチ監督に代わってから、まだ招集の声はかかっていない。乾はその現況を「自分の居場所が、今は代表にはない」と冷静に捉えている。現在の日本代表の前線に「宇佐見(貴史)とか武藤(嘉紀)とか(原口)元気とか、サイドにいい選手がたくさんいる」からだ。

 だからといって、あきらめているわけではない。「代表には行きたいです。そこは常に目指しています」という思いに変わりはない。

 2015年に行なわれたAFCアジアカップ(日本代表はUAEにPK戦で負け準々決勝敗退)で、乾は招集リストに入っていた。その時、共にピッチに立っていた香川真司や岡崎慎司とはプライベートでも仲良くしており、一緒に代表でプレーできれば、気心が知れていることもあって「コミュニケーションはスムーズにとれると思います」と語る。

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