ドルトムント、ドイツ杯決勝へ。香川真司「苦しい時期も乗り越えた」

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「1試合1試合、やるだけなので。もちろんうまくいかなかったり、試合に出られない時期もありましたけど、そういう時期も乗り越えて、チャンスをもらったらやるだけです」と、香川は苦しかった時期を落ち着いた様子で振り返った。

 試合はドルトムントが後半に2点を追加した。75分の2点目は、カウンターからの縦パスに反応して抜け出した香川がドリブルでえぐり、ディフェンダーを引き寄せたところで出したパスをロイスがダイレクトで決めた。

 ヨーロッパリーグでリバプールに劇的な敗戦を喫したのがわずか1週間前とは思えないほど、チームはすっかり回復したように見える。だが、香川はちょっと違う見方をしていた。

「(ブンデスが)そういうレベルなんでしょうね、正直。やはりこれだけ集中してやれたら圧倒できた。ただ、これがCLだったり、もっと高いレベルにいったらわからない。僕たちがいいのか、相手がアレなのか、わからないですけどね。でも、本当に集中して攻守において戦えたので、そこはひとつ、成長だと思います」

 そんな言葉からは、かつてブンデスからプレミアへ渡った理由の一端もうかがえた。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る