ナポリを完封。長友佑都のユニフォームがインテルで一番売れる理由 (3ページ目)

  • マッテオ・ブレーガ●文 text by Matteo Brega 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 そんな1月。長友とインテルのラブストーリーを一変させてしまうような事件が起こった。マンチェスター・ユナイテッドの役員が、長友を売ってほしいとわざわざミラノにまで出向いてきたのである。彼らが提示してきた金額は200万ユーロ(約2億5000万円)。あと数カ月で契約が切れる選手に対しては破格の値段だ。

 この話を受けてインテルは急遽長友と彼の代理人をチーム本部に呼ぶと、状況を説明し、最終的な決断を長友に託した。チームとしては、この金額は拒否しきれないものだったからだ。しかし長友はこの名門レッド・デビルズからのオファーをあっさりと断ってしまった。ルイス・ファン・ハールのもとで、オールド・トラフォードでプレーするチャンスをいとも簡単に切って捨てたのである。

 何が彼にそうさせたのか? 長友自身がそれを説明している。

「僕はインテルを愛している。ここに残りたい。マンチーニとの関係は最高だ」

 そしてこの発言から2カ月後、ついに契約更新が実現したのである。

 頭がよく、仕事熱心で、健康に留意し、実は意外におしゃれでもある。ミラノではよく本田圭佑とともに食事をしているところを見かけるが、テーブルの上にあるのはいつも野菜と赤身の肉、もしくは魚料理。飲みものは必ずミネラルウォーターだ。健全な食事が、彼の健全な体と精神を作っているのだろう。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る