「本田圭佑に朗報」との声。ミラン、ブロッキ監督誕生の内幕 (2ページ目)

  • カルロ・ファブリ text by Carlo Fabbri 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 先日亡くなったミランのレジェンド、チェーザレ・マルディーニの葬儀の後、ベルルスコーニは、CEOのアドリアーノ・ガッリアーニとかつて黄金期のミランを率いた名監督、アリゴ・サッキを昼食に招いた。テーブルを前にして彼らはミランのこれからを論じあった。

 しかし3人の意見はまるで異なっていた。ガッリアーニは、少なくともシーズン終了まではミハイロビッチの続投を主張。一方サッキはサッスオーロに奇跡を起こしている(2シーズン前に初めてセリエAに昇格したが、今はミランに次ぐ7位につけている)エウゼビオ・ディ・フランチェスコを新監督に推挙。そしてベルルスコーニはミランのプリマヴェーラ(ユース)監督のクリスティアン・ブロッキをミハイロビッチの後任にと提案した。

 ユベントス戦の敗戦は単にミハイロビッチ解任の時期を早めただけだった。そして当然ながらミランのドンであるベルルスコーニの意見が採用された。

 クラレンス・セードルフやフィリッポ・インザーギと同様、ブロッキはこれまでセリエAのチームどころか、トップチームを率いたことさえない。つまり実績は0だ。

 ベルルスコーニがこれほど早く監督をすげ替えたのは、5月21日のコッパ・イタリア決勝を見据えてのことだ。ミハイロビッチでは必ずまたユベントスに負けてしまうと、ベルルスコーニは思ったらしい。そしてどうせ交代させるなら早いほうがいいと判断したのだ。リーグ戦の残り6試合でブロッキは選手とチームをよく理解し、今シーズンのすべてがかかっているコッパ・イタリア決勝に臨めるだろう、と――。

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