香川真司ショック、恩師クロップのリバプールにELで大逆転負け (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 劣勢だった前半から、クロップは絶えず選手を鼓舞し、静まりがちなスタンドに対しても腕を振って鼓舞した。試合後にはスタンドまで挨拶に訪れ、選手たちへの拍手を促した。情熱的なクロップにしても珍しいシーンだった。

 このところブンデスで連続ゴールを決めるなど好調なところを見せていた香川真司は、この試合に先発している。試合後の香川は「(先発を)勝ち取った試合で、勝ちたかった」と語っている、

 ドルトムントの選手は前半、明らかに高い集中力を見せていた。今年に入ってからのEL やブンデスでは見られなかった、いい緊張感に包まれていた。この一戦にかけるモチベーションの高さがうかがえた。

 香川もいい入りを見せ、前半5分には先制点の起点になった。「出しどころがなく迷った」というゴンサロ・カストロへのパスがオーバメヤンのシュートにつながり、GKが弾いたところをミキタリアンが詰めて先制した。その後も悪くないプレーを続けた。

 ただひとつ、惜しまれるプレーがある。77分、交代直前のことだ。リバプールの右CKのボールがニアに立った香川の元に入る。香川が押し出したボールは、再びキッカーであるミルナーの足元へと戻っていった。ミルナーはまるでショートコーナーのリターンを受けたようにもう一度クロスを入れた。混戦状態から、最後はミルナーのクロスをGKが弾き出して左CKになった。

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