C・ロナウド3発でレアル逆転勝利。見えた「個人の力」の魅力と限界 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 中島大介●撮影 photo by Nakashima Daisuke

 個人の力の魅力と限界と。ヴォルフスブルクとの準々決勝は、その両面を見せてくれた試合だった。限界を見てしまった第1戦と、魅力が限界にぎりぎり勝った第2戦。トータルで見れば辛勝も辛勝。大苦戦だった。

 監督主体できたバルサと、選手主体できたR・マドリード。両者には伝統的にそうした違いがあるとこちらにレクチャーしてくれたのは、地元スペインの記者だった。いまのR・マドリードは、まさに選手主体の状態にある。ジダン監督の力は、C・ロナウドの力に大きく劣っている。とりわけ、この試合の「1時間」の戦いに、その弱みは集約されていた。

 惜しくも敗れたディーター・ヘッキング監督率いるヴォルフスブルクは、逆にバルサ的。監督の力こそが、大善戦した一番の原因になる。W杯本番で番狂わせを狙う日本が見習うべきはどちらか。参考になった試合ともいえるのだ。

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