バルサ戦のカギ握るアトレティコのグリーズマン。「10クラブで落とされた」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 09~10シーズン、19歳でトップチームに引き上げられると、プレシーズンマッチに参加して最多得点を記録。当時トップチームは2部に降格し、主力選手を放出した後だったことが幸いした。1シーズンを戦い抜き、39試合出場7得点を記録。ソシエダではその後5シーズンにわたり主力を担い、13~14シーズンは16得点を挙げてアトレティコへと移籍した。そしてアトレティコでは1年目で22得点を記録し、揺るぎない評価を得たのである。

「(アトレティコでの)1年目は11月末くらいまできつかった。プレースタイルが変化し、考え方も変えなければならなかった。でも、仲間のおかげでどんどん良くなった」

 彼はそう変化=成長の過程を明かすが、「仲間のプレーを見抜ける観察眼」は武器だろう。おかげで連係はスムースで、相手にダメージを与えられる。例えばグリーズマンの得点パターンの一つに、ファーポストに回り込んでマーカーの背中を取る形がある。ニアに入り込む選手と交差するタイミングは絶妙。ステップを組み替えるだけで、ディフェンダーの裏を取れる。いつもボールを見てるのではない。一度視界を捨てることで走り勝ち、イメージのままにコースに入り、ボールを呼び込む。


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