マンUは週給4000万円提示。「優勝請負人」ズラタンの市場価値 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 そして、それを象徴しているのが、今季のパフォーマンスである。

 4月2日のホームでのニース戦でハットトリックを決めたズラタンは、加入初年度に記録した自己最多に並ぶリーグ戦30ゴールの大台に乗せたばかり。残り試合を考えれば、自己最多記録を塗り替えることはほぼ確実だ。

 さらに、4月6日のチャンピオンズリーグではPKのチャンスでミスしたものの、相手のミスから幸運なゴールを記録。これにより、自己最多に並ぶチャンピオンズリーグ5試合連続ゴールをマークするとともに、本拠地パルク・デ・プランスでの通算ゴールを「79」とし、PSGのレジェンドであるペドロ・パウレタ(元ポルトガル代表)を抜いて公式戦でのホーム通算ゴール数最多記録保持者となった。

 もちろんそれ以外に、数字に表れない部分でのクラブへの貢献度も計り知れない。

 PSG加入以来、フランス国内ではズラタン風といった意味合いの"ズラタネスク"という造語が流行するなど、あっという間にファンを魅了。ある種の社会現象を巻き起こし、PSGの知名度アップと人気上昇に一役買った功績は見逃せない。

 またピッチ内では、試合中にチームメイトに対して怒鳴り散らす場面がしばしば見られるが、ズラタンの勝負に対するこだわり、タイトルへの飽くなき執念といったプロフェッショナリズムは年々チーム内に浸透し、今季のように独走態勢が続くなかでも、以前のような"手抜き試合"は見られなくなっている。

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