ブンデス2部で復帰した宮市亮。負傷で得た新走法と仲間の後押し (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 復帰1試合目、出場わずか15分程度ということで、走り方の改善についてはまだ影響を感じられてはいない。宮市にとって走り方を変えるというのは大きな決断だったはずだ。その爆発的なスピードが彼の持ち味であり、走り方を変えればそれが失われてしまうかもしれないからだ。

 ただ、そのスピードが自身の体に負荷をかけていることは本人も自覚していた。再びケガをしないことは宮市にとって非常に大きな課題であり、それは今後、出場時間が増えて身体にかかる負担が大きくなったときにこそ問われてくる。「今日は出場時間が短かったですけど、走り方についても身にはなっていると思うので、これから出場時間が長くなっていけば……」と、自らの取り組みに期待を寄せている。

 再発への不安ももちろんあった。チーム練習に復帰してから1カ月以上たつが、この日もピッチに足を踏み入れるその瞬間まで、気が抜けなかったという。

 そんな宮市を後押ししたのが周りの人々だった。リーエン監督は試合後、宮市の印象について問われると「彼が戻ってきてくれてうれしいよ。すばらしい仕事をした医療チームには感謝したいね。もちろん彼にはまだ時間が必要だけど、身体的には以前より強くなって戻ってきた」とコメントしている。

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