岡崎慎司の証言から探る「無冠の帝王」ラニエリ監督の正体 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 エネルギッシュに動きまわるMFエンゴロ・カンテについて、「ショーツの下に大量のバッテリーを隠しているに違いない!」と周囲を笑わせれば、バレンシアの監督を解任された後、後任として同職に就いたキケ・フローレス(ワトフォード監督)との因縁対決の前には、「リベンジだ! 彼を殺したい(笑)」と顔を歪ませてお茶目に言い放った。加入1年目の岡崎慎司も、「普段はジョークばかり」という印象を語っている。

 こうした肩肘張らないアプローチが「成功の一因」と語るのは、地元紙『レスター・マーキュリー』のロブ・ターナー記者だ。しかし同時に、2004年まで率いたチェルシー時代とは違いがあるとも話す。

「マルセル・デサイー(1998年~2004年までチェルシーに在籍した元フランス代表DF)から聞いた話では、チェルシー時代は試合やトレーニングになると、厳しさを前面に出していたという。規律を重視し、口うるさく指示を出していたようだ。当時も会見では笑顔が多かったが、なかにいる選手たちは異なる印象を抱いていたと聞く。

 ところが、今は違う。必要と感じれば、ギュッと選手を引き締めるが、基本的には"リラックス・アプローチ"。選手たちに笑顔とジョークで接し、彼らの意見を聞き入れることも多い。こうしたマネージメント術が、レスターの空気に合った」

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