「日本史上、最高の選手に」。吉田麻也が語る岡崎慎司のすごさ (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 ストライカーとして当然の動きではあるが、初速のスピードが速く、俊敏性も高い岡崎のトライは、プレミアリーグの他のFWと比べても危険度が高く、オプションも多い。別の表現をすれば、ペナルティエリア内でのスペースの使い方が抜群にうまい。

 サウサンプトン戦に関して言えば、4分と11分のシーンが象徴的だった。「チャンス」と見てニアサイドに突っ走り、クロスボールに合わせることに成功した。いずれも得点には結びつかなかったが、サウサンプトンのDFからすれば、対応は相当に厄介だったはずだ。ペナルティエリア内でスピードの強弱をつけ、バネのように左右に動いて突進してくるのだから、一瞬たりとも気は抜けないだろう。

 それだけでなく、中盤まで下がって守備をこなし、パスワークにも絡む――。プレミアリーグで戦うことの難しさ、競争の激しさを身をもって知る吉田だからこそ、感心しながら言葉をつないだ。

「すごいですよね。あれだけ走り回って、60分ぐらいでヘトヘトになっているんだから。なんて言ったらいいんだろうなあ......日本サッカー史上、最高の選手になりつつあるんじゃない。これで優勝したら、誰も何も言えないでしょう」

 吉田の分析は、サウサンプトンを1-0で下したレスターにも及んだ。1-0での勝利は4試合連続。高速カウンターやセットプレーから1点を奪う「力強さ」と、その1点をしっかりと守り切る「したたかさ」を、レスターは身につけている。

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