香川真司、「大事な試合」で同点弾。意識していたシリア戦からの流れ (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 常日頃から自分に対する課題としている点と、ベンチから見たチームメイトたちの戦いぶりへの印象は、そう大きく変わらないようだ。相手に体力があり、速いプレスがかかる前半は、なかなか得点が入らない。だからこそ、後半からでもよかった、というわけだ。ちなみに香川はこれまで先発した試合でも、「これなら後半からでも……」などと漏らすことさえあった。

 0-0で迎えた後半。香川が投入された時間帯は慌ただしかった。オーバメヤンが先制ゴールを決めたものの追いつかれ、1−1となった段階で香川の投入が準備された。前線も膠着気味だったため、早い段階での投入もあるかと思えたが、実際に投入されたのは74分。しかも指揮官から指示を仰いでいる間にドルトムントは失点し、1−2に。そしてピッチに入った直後の77分に香川がゴールを決めて、同点に追いついた。

「ブレーメンはフィジカルで強い選手がいて、そこで速い攻撃を仕掛けてきていた。後半になってそこでちょっと耐え切れなくなって、立て続けに失点しましたけど、十分に逆転できる力は感じていたので、問題なかったと思います」

 ちょうどその「耐え切れなくなった」時間帯での投入だったが、短時間での同点弾はチームを勢いに乗せた。5分後にはやはり途中出場したアドリアン・ラモスの逆転ゴールが決まり、ドルトムントは勝利をたぐり寄せた。

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