乾貴士がエイバルで戦うメリット。質実剛健なバスクの特殊性 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

「エイバルでプレーするまではプレーが綺麗すぎたんだ。体とボールごとでも相手を止める。プロで生きるというのはままごとではない、ということを思い知らされたよ」

 シャビ・アロンソ自身がそう述懐している。激しくもフェアなスライディングタックルは、プレミアリーグではなく、エイバルで身につけた。闘争の奥側に真のフットボールがあることを、小さな町で学んだのだ。

 その哲学はエイバルのものだけでない。バスク全体で堆積してきた文化と言えるだろう。豊かな土壌に、バスクフットボールの本質はある。

 その源泉は、匂い立つほどに濃厚だった。

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