ポスト・モウリーニョが続々。CLを席巻するポルトガル指揮官たち (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

「多くの人はポルトガル人を、勉強嫌いな頭脳的でない人種と思っているだろうが、そうではないことが、近々証明されることになるだろう」と言ったのは、かつてのモウリーニョ。そして彼はこちらにそう語った後、CLで優勝を遂げた。監督力を主張したかったのだろう。監督としての優秀な頭を備えた人種だとモウリーニョはこちらに対して訴えた。

 それから10年と少し経過したいま、遅まきながらとはいえ、彼の言葉に納得せずにはいられない。と同時に、彼はポルトガルが海洋国家であることも強調した。「海外に出て監督をすることが、私に課せられた使命だ」と。

 地元ファンの中には、モウリーニョを、ポルトガルの大航海時代の英雄である、エンリケ航海王子に例える人もいた。彼のような偉大な人物になって、ポルトガルに帰ってきてほしい、と。いま、ポルトガルに航海士は続々誕生している。

 数年前まで、サッカー界で航海士役を果たしてきたのはオランダの指導者だ。バルセロナに攻撃的サッカーを伝えたヨハン・クライフ、2002年日韓共催W杯で韓国をベスト4に導いたヒディンクなどはその最たる例になるが、ポルトガルはいまやその域に迫りつつある。

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