ポスト・モウリーニョが続々。CLを席巻するポルトガル指揮官たち (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by AP/AFLO

 その後、モウリーニョはチェルシーで監督力を見せつけることになるが、ポルトガル人指導者にあっては例外に見えた。もう一人、例外を挙げるならば、同国のユース年代の選手を鍛え、優秀な人材を代表チームに送り込んだカルロス・ケイロスになるが、「監督強国」のイメージは果てしなく薄かった。

 それから10年と少し経ったいま、モウリーニョに当時の勢いが失われているにもかかわらず、ポルトガルは監督強国ぶりを際立たせている。

 昨季のCL本大会にポルトガルが送り込んだ監督は計6人。しかもそのうちの4人が海外のクラブの監督だ。

 ジョルジ・ジェズス(ベンフィカ)、モウリーニョ(チェルシー)、マルコ・シルバ(スポルティング)、アンドレ・ビラス・ボアス(ゼニト)、レオナルド・ジャルディム(モナコ)、パウロ・ソウザ(バーゼル)。

 今季は4人(モウリーニョ、ビラス・ボアス、マルコ・シルバ=オリンピアコス、ルイ・ビトーリア=ベンフィカ)に減り、首位の座をスペインに譲ったが、海外のクラブからCLに出場した監督の数(3人)では、欧州一を守っている。

 CL決勝トーナメント1回戦、ゼニト対ベンフィカは、その直接対決だった。勝ったのはルイ・ビトーリア(ベンフィカ)で、負けたのはビラス・ボアス(ゼニト)だが、個人技巧みなサッカーを展開するポルトガルのイメージとは別の顔を見せられた試合だった。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る