最下位ハノーファーの清武弘嗣が語る。「僕はJリーグのブラジル人みたいなもの」 (6ページ目)

  • 寺野典子●文 text by Terano Noriko photo by Getty Images

 ブンデスリーガは残り9試合。18位の最下位に沈むハノーファーは勝ち点17。17位ホッフェンハイムは勝ち点21。そして入れ替え戦となる16位フランクフルトは勝ち点24。残留できる15位のダルムシュタットは勝ち点26。9ポイントの差は小さくはないけれど、可能性がなくなったわけではない。

「いつも言っているように、蛍と宏樹とロンドンオリンピックを戦った3人が同じチームで一緒にピッチに立てるなんて、そうそうあることじゃない。だから僕たちがチームを引っ張っていけるような9試合にしたい。今日も2時間くらい、チームでミーティングをやりました。『チームがひとつになることが一番大事で、それが一番チームを強くする』ってみんな言い合って、いい時間だった。

 いろんな選手がいろんな想いを抱えて戦っている。僕も蛍も宏樹もいろんな想いを抱えて、残り試合を戦っていきたい。諦めたら終わりという言葉があるように、諦めないですよ、僕らは。1試合1試合に集中して、力を尽くすしかない。そうじゃないと後悔しか残らないから」

 自身3度目のドイツでの残留争い。そういう試練もまた、そうそうあることではないだろう。そこで自分の不運を嘆いても、何も始まらない。託された期待は大きい。清武弘嗣は清武弘嗣のやり方で、この苦境を生き抜いていく覚悟ができている。
 
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