2度の決定機を逃した岡崎慎司が、
7回も悔しがる、3つの理由

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 ゴールを重ねていけば、自分も波に乗れるし、周囲の信頼も深まって、ラストパスが増えていく。「自信」と「信頼」が高まることで、ゴールの量産体制に入れるのだろう。

 もうひとつが、得点を挙げていれば、「優勝争いの真っ只中にいるチームを救えた」こと。中盤の底で支えるMFエンゴロ・カンテが負傷離脱した影響で、守備に安定感を欠いて2失点を許し、チームは痛恨のドローを喫した。しかもレスターの2得点は、いずれも中盤の選手。たったひとつの試合結果で命運が分かれてくる優勝争いだけに、FWとして思うところが大きかったようだ。

「自分が試合を決めるチャンスがあった。(得点を決めていれば)チームに勝ち点3をもたらすことができた。優勝を狙うなら、限られた選手だけではなく、俺みたいな奴がゴールを決めていかないと優勝できないし、上位にとどまっていられない」

 最後の理由は、得点を挙げることで「不動の地位を築ける」こと。8試合連続で先発出場を果たし、チーム内での序列は確実に上がってきている。しかし、勝利が必要とされる大事な試合で得点を挙げることの意義を、岡崎は競争の激しい欧州で揉まれながら学んできた。

「こういうシチュエーションで、今日のようなビッグチャンスはないと思う。これを決めるか決めないかで、自分の未来が決まってくるので。それぐらい大きなチャンスだったと思います。ゴールを決めていれば言うことなかった」

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