2度の決定機を逃した岡崎慎司が、7回も悔しがる、3つの理由 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 もうひとつのチャンスは、コーナーキックの場面で至近距離から狙った14分。DFロベルト・フートがコーナーキックを頭で合わせると、得点の匂いを感じ取った岡崎は、ニアサイドからゴール前に素早く身体を移す。敵のマークをすり抜けるクレバーな動きから、右足でコースを変えたが、ボールはバーの上を越えていった。この場面についても、「したたかに決めないといけない」と唇を噛んだ。

 ここまで岡崎が悔しがる理由はなにか?

 もちろん、「ストライカーとしてゴールを奪えなかったこと」にあるのだが、岡崎はもう少し俯瞰(ふかん)してこの試合を捉えていた。ブンデスリーガ時代を含めると欧州挑戦6季目の岡崎は、この試合で得点を挙げる「意味」を誰よりも強く理解していたからだ。

 ひとつ目の理由が、ストライカーとしての「流れ」。以前、日本代表の本田圭佑は「ゴールはケチャップのようなもの」と話していたが、岡崎もゴールを挙げることの「相乗効果」を経験として知っている。彼は言う。

「僕のリズムで言えば、こういう試合はドイツでよくあった。決められないときもあるけど、自分のリズムを作る意味において、こういう試合があることが大事。今日のような流れが続いて、次も危険なプレーができて、その次の試合も危険なプレーを続ける。この流れに乗ってゴールを決めていけば、自分も自信が持てる。それが僕の流れ。そういう意味でも本当に悔しい」

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