もはや「清武弘嗣のチーム」。復帰で見えたハノーファーの光明

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 エゴイスティックに『オレが、オレが』というタイプの選手がさほどいないのはハノーファーの特徴でもある。悪いことばかりではないが、ドイツにおいては珍しい。

 今季後半戦から就任したトマス・シャーフ監督の手腕が今ひとつ発揮できていないのも気になる。長年ブレーメンで辣腕を振るった監督で、一昨季は残留争いを演じたフランクフルトを昨季は9位でフィニッシュさせた。ちなみにフランクフルトでは前監督とそりが合わず出場機会を失っていた乾貴士のことを信頼し、再生させてスペイン移籍の道を作っている。

 だが、ハノーファーの監督に就任して以来、7戦してわずかに1勝。監督交代の意味が問われても仕方がない。この日は後半開始からFWのアダム・サライを投入。前半の1失点を取り返すために前がかりになったが、それが裏目に出て大量失点につながった。

 清武も首をかしげた。

「後半、わからなかったです。ポジションもグチャグチャだし。交代した選手がどういう話を聞いて入ったのか俺は知らないですけど、誰がどこにいるかわからなかった。とにかくグチャグチャでした」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る