優勝候補の宿命。岡崎慎司を苦しめる下位チームの「レスター対策」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

「守備を重視するノリッジや、(次節の)WBAといった相手を、いかにレスターは乗り越えていくか。ここまでレスターは、間延びした敵の陣形をうまく利用することで、幾多のゴールを挙げてきた。しかし今後、彼らはレスターを止めようと、レスターと同じやり方を用いてくるはず。つまり、『中盤を厚くして、自陣深くで守る』ことだ。そうなれば、レスターは前線への長いボールを使えなくなる。カウンター時に生かしたいスペースも埋められ、パスも思いどおりにつながらないはずだ」

 試合は、まさにマーフィーの言葉どおりの展開だった。この日のノリッジの布陣は3-4-2-1だったが、守備時には中盤のウイングバックが下がって5バックに。DFラインを低い位置に置き、レスターのクロスボール時には4~5人がペナルティエリア内で守った。

 受けに回って、カウンターに活路を見出す――。本来は4バックシステムを採用するノリッジが、今季2度目となる3バックを急きょ採用したことでも、「レスター対策」を施してきたのは明らかだった。

 対するレスターは、いつもと勝手の違う展開に戸惑っているようだった。カウンターサッカーを軸とすることから、今節前のポゼッション率はリーグワースト3位。しかし、71%(10分)→77%(15分)→63%(60分)と、ボール支配率で相手を上回るという珍しい展開が続く。しかも、敵が後方に守備を敷いたことでスペースを潰され、FWジェイミー・バーディーの速さを生かせない。「ボールをキープしている」というより、「持たされている」試合展開のなか、レスターは"らしさ"を発揮できなかった。

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