スタジアムも香川真司も困惑。ドルトムントの「新システム」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 試合後のトゥヘル監督は「とても良い入りだった。ポゼッションし、組み立て、質の高いパスをつないだ」と、満足していた。だが、5バックで固めた相手ゴールを崩すまでには至らないし、システムに慣れていないためなのか、小さなミスが相次いだ。

 先発した香川真司も滑ってボールを受けきれないシーンが何度かあったし、右のミキタリアン、左のマルセル・シュメルツァーによる、本来であればストロングポイントになるべきサイド攻撃も、埋められたスペースをこじ開けきれない。オーバメヤンの快速も見られない。

 試合を通してポゼッションは7対3で、見た目の印象としてはドルトムントが確かにゲームを支配していた。だが、効果的な攻撃はむしろホッフェンハイムに見られた。ドルトムントがボールを中盤の妙な位置であっさり失うから、3バックが対応しきれず、あっさりゴール前まで運ばれるのだ。そうして25分の先制点も生まれた。

 前半で退いた香川のコメントも煮え切らないものだった。

「結局ブロックで引いた相手に対しては、サイドバックだったり、サイドからのカウンター(が本来は有効)。ボールを回してバイタルで(香川がプレーする)トップ下にボールが(入って)崩すというのは、よほどのスペースと流動性がない限り難しいかなと感じています。そういう意味では、低い位置からを含めて、ゲームを作っていくのも必要だと思う。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る