香川真司は不満。EL16強ドルトムントの「不安定ループ」を語る (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 香川とロイスがサイドではなく中央に寄ってプレーすることで起点を中に作ろうという意図だが、相手も中央は固めているため、なかなかこじ開けることができない。サイド攻撃が売りであるはずのチームなのに、なかなか起点ができず苦しい時間帯が続いた。

「中途半端にやっちゃうと、結局厳しいところでボールを受けざるを得なかったり、なかなか自分の良さを発揮しにくかったりする。(どこで受けるか)その判断はチームの戦い方を見て、もっと流動的にやっていきたいですけど、監督は『ここ(中央)にいろ』と強く言う。それも大事ですけど、自分で判断していかないといけないですね」

 今季慣れ親しんだ中盤のポジションは、ゴールから離れはするが、ボールを触る回数が多く、チームだけでなく自分自身のリズムも作りやすい。だがこの2試合は、オーバメヤンという快速フォワードの下で、これまたスピードのあるロイスとトップ下で組んでいる。

「ここのトップ下は難しいですね、正直」と、終始、硬い表情を緩めなかった。

 指揮官が様々なトライをする中、選手たちはいささか厳しいムードに包まれているのだという。新しい戦い方、毎回違うメンバー。それでも結果がついてきているから指揮官はさらなるトライをする。だが、結果は出ても内容的には納得がいかない。そんなループが続いているのだそうだ。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る