熱烈アーセナルファンの英国人作家がつづった「レスター賛歌」 (2ページ目)

  • コリン・ジョイス●文 text by Colin Joyce photo by Getty Images

 ぼくはスパーズ(トッテナム)のファンを何人か知っている。彼らは、スパーズが50年以上遠ざかっているリーグ優勝の可能性について話したいだろう。

 でも、それは旬の話題ではない。

 いまイングランドのサッカーで語るべきことは、ひとつだけ。レスターだ。

 とはいえ、このクラブがなし遂げていることのすばらしさを、語りつくせるかどうかはわからない。

 1シーズン38試合のうち25試合を終えた時点で、レスターはプレミアリーグで首位を走っている。1年前、レスターは最下位だった。20クラブ中の20位だ。

 昨シーズンのレスターは、長いこと最下位だっただけではない。あまりに成績がひどく、プレミアリーグにとどまる見込みはまったくないとみられていた。

 プレミアリーグでは毎シーズン、下位の3チームが降格する。ぼくはどのチームが降格するのか予想しようとしたのを覚えている。「レスターと、いま下位にいる5チームのうち2つだな」と、ぼくは思った。

 昨季プレミアリーグに残留したことで、すでにレスターはサッカーの歴史をつくった。終盤に大変な好成績をあげ(最後の9試合のうち7試合に勝った)、人々はこれを「史上最大の大脱走」と呼んだ。

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