2016.02.18

香川と激突のポルト。11年で1000億円を得た驚きの「錬金術」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 ポルトは政策の三本柱として、recruitment(新規採用)、development(成長) yield(収益)を掲げ、選手をリクルートし、成長させ、収益を上げるシステムを確立している。国内外に抱えるスカウトはサッカー先進国中心に総勢250名以上。通常、スカウトは担当地域で週末の試合を見てリポートを書くが、足代と手当で年間数億円の経費となる。上がってきた文書を内部スカウトが吟味し、数段階に分け、必ず数人が目を通し(セカンドオピニオン)、ようやく決定に至る。

 つまり、相当な資金や労力が必要になるわけだ。

「安かろう」ではないのが、ポルトのスカウティングポリシーである。安すぎる選手は相応の価値しかない場合が多く、ポルトが目指す高い水準では順応できない。500~1000万ユーロ程度の移籍金は捻出する設定で、良質な選手を求める。言い換えれば、博打性も高い。もし投入したスカウトの契約料や獲得時の移籍金に見合う収益を出さなければ、クラブは干上がってしまうのだ。

 しかし、ポルトが欧州サッカーで強豪と対等に競い合うには山師の目を信じるしかない。どのクラブもリスクは負っている。例えばバルサは「育てる」戦略に特化し、下部組織「マシア」に年間予算15億円を投入。その結果、アンドレス・イニエスタやリオネル・メッシら大物選手を手にしているが、これも一つの投資である。