岡崎慎司は言う。「献身的という褒め言葉ほど危険なものはない」 (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 とはいえ、アーセナルのうまさと速さに舌を巻いたことも事実だった。

「アーセナル、うまかったですね。そんなにシュートを打たずに、最後までつないでくる。(MFアレックス・)オックスレイド=チェンバレンみたいに強引に仕掛けてくる奴がいれば、(MFメスト・)エジルみたいにフラフラしながらパスを出す選手もいる。バランスがいいですよね。総合的に見て、自分たちより上だった」

 アーセナルの素早い攻めに押し込まれ、2トップの一角として先発した岡崎も、守備に回らざるを得ない場面が多かった。実際、岡崎の守備は効いていた。セントラルMFのアーロン・ラムジーにプレスバックしてボールを奪えば、サイドまで流れて敵のサイドバックにも寄せに行く。「強い相手になると、ボール回しがうまい。俺が(MFダニー・)ドリンクウォーターや(MFエンゴロ・)カンテのフォローに行くことで、ボールも取れていた」と岡崎が言うように、守備での貢献は光っていた。

 だが、日本代表FWは昨年末から、「ゴール奪取」にプライオリティを置いている。この試合も、本人としてはゴールが欲しかった。一方で、プレスやチェイシングがチームを支えていたことも事実。プレーをゴールに傾けるのか、それとも守備を念頭に置くのか――。このあたりのバランスの難しさについて、岡崎は次のように語る。

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