ゴールの本田圭佑に嵐のような拍手。ミランは正しい道を歩み出した (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 だが64分、本田はハーフウェーラインを少し越えたあたりでボールを得ると、35メートルはあるミドルシュートを放ち、ボールはゴール左隅に突き刺さった。このシュートは本田の今シーズン初ゴールだっただけでなく、ゴールエリア外から決まったミランの初ゴールでもあった。

 ゴールを決めたあとの本田の喜び方はわりと控えめだったが、仲間たちが次々と駆け寄り祝福したことは特記すべきことだ。また本田はユニホームの胸にあるミランのエンブレムに口づけをしたが、それは彼とミランの強い結びつきを表しているだろう。

 本田が活躍したという何よりの証拠は、試合終了後のサン・シーロの様子だった。ピッチを出て行く彼にミラニスタは嵐のような拍手を送ったのだ。数カ月前の彼へのブーイングはこのオベーションとともに完全に消し去られた。本田と一番息の合うイニャツィオ・アバーテの姿はこの日ミランの右サイドにはなかったが、それでも本田とアレックスはこの試合の最優秀選手だった。

 キャプテン、リッカルド・モントリーヴォも試合後に本田について語らずにはいられなかったようだ。

「本田は信頼できる選手だ。ボールがピッチから出ない限り、彼は絶対あきらめない。他の選手のような才能はないかもしれないが、こういう選手こそがチームを目標に導くのだと思う。彼がチームメイトであることをうれしく思うよ」

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