自分に厳しい岡崎慎司。マンC撃破で優勝が見えても笑顔なし (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 なかでも、「トップレベルのFWなら、あそこは確実に決めている。自分はその域に行かないといけない」と語気を強めたのが、22分の得点チャンスだった。2トップでコンビを組むFWジェイミー・バーディーがスピードに乗ったドリブルでサイドを切り裂くと、岡崎はニアサイドめがけて猛突進。グラウンダーのクロスに飛び込んだが、敵ふたりに挟まれてシュートを打ちきれなかった。チャンスを逃すと、悔しそうに目をつぶって天を仰いだ。

 得点チャンスは、ほかにも2回。8分にはバーディーのシュートからのこぼれ球を狙ったが、相手DFニコラス・オタメンディにブロックされた。51分にも味方のクロスをボレーで合わせたが、ミートしきれない。「世界でストライカーをやるには、あそこは決めないと......」(岡崎)。これまで同様、ゴールへの強いこだわりを口にした。

 振り返ると、シーズン前半戦で先発の機会があったり・なかったりの苦しい時期に、「いつか自分に流れが必ずくる。それを掴めるか」と、岡崎は何度も語っていた。シーズンの7割弱が経過した今、5試合連続で先発出場を果たし、ゴールの数も増えている。なかば自分自身に言いきかせているようだったその言葉は、目の前で現実になっているのである。

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