ブンデス連続先発の山口蛍が、35分で交代させられた2つの理由 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Getty Images

「逆サイドに(相手のボールが)あるときには、ある程度『中に絞れ(中央寄りにポジションを取ること)』と言われていました。ただ練習をやっているときから、そこ(絞った状態)からサイドチェンジされたときに、相手のサイドバックまでの移動距離はすごく長くなるとはずっと思っていました。

 練習では中途半端な位置というか、間くらいの位置をとっていていいと言っていましたけど、(この試合では相手の)アンカーのところで(マークが)剥がされて前を向かれて、というところもあったので、自分が絞ってまずそこを閉じたいなというのもありました」

 ボールを奪いかけた山口だが、マイボールにすることはできず、再びボールを持ったマインツに山口が空けたスペースを使われて自陣深くまで容易にボールを持ち運ばれてしまった。このプレーの直後、シャーフ監督は山口の方に向かって何やら必死に伝えようとしていた。プレーは続いていたため結局伝わらなかったが、おそらく持ち場を離れてまでボールを取りに行かないように指示を出していたのだろう。

 相手のボールが逆サイドにある時に中央寄りにポジションを取ること自体は、サイドにMFを配置しない監督の求める守り方だ。ただ、持ち場を離れてボールを奪いに行くのは当然リスクを伴う。もしそこでボールを奪うことができれば大きなチャンスになるが、失敗すれば空いたスペースを使われて攻め込まれてしまうのだから。

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