「新参者」マンチェスター・シティが初のCL制覇に足りないもの (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 その意味では、ナバスやアグエロ、フェルナンド、MFヤヤ・トゥーレの存在は貴重だろう。ナバスはセビージャ在籍時代の2005-06シーズンと2006-07シーズンの2季連続でUEFAカップ(UEFAヨーロッパリーグの前身)を制覇。欧州リーグの頂点に立ったのはアグエロとフェルナンドも一緒で、前者はアトレティコ・マドリード時代の2009-10シーズン、後者はポルトでの2010-11シーズンに栄冠を掴んだ。ヤヤ・トゥーレにいたっては、バルセロナ時代の2008-09シーズンにCL制覇を成し遂げている。大会の頂点まで辿り着いた者しか知り得ない貴重な経験は、欧州の舞台で「新参者」のマンチェスター・Cにとっては何物にも代えがたいだろう。

 振り返れば、わずか14年前の2001-02シーズン。マンチェスター・Cはイングランドの2部リーグに籍を置いていた。その事実を踏まえれば、マンチェスター・Cは依然として「成長過程」にある。実際、フェルナンドも「プレミアリーグでは優勝したいが、CLではできる限り上位に勝ち進みたい」と、謙虚に今季の目標を語っている。

 折しもマンチェスター・Cの次期監督として、ジョゼップ・グアルディオラの就任が発表された。この人事は悲願の「欧州制覇」を実現させるための一手で、クラブを次のステップに押し進めたいクラブ首脳陣による「野望の大きさの表れ」と見ることができる。

 グアルディオラが指揮を執るのは来シーズンからになるが、それでも上昇志向の強いマンチェスター・Cは、もちろん今季も5月28日のCL決勝戦を目指す。欧州チャンピオンを決めるファイナルの舞台はイタリアのミラノ、スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ。はたして、彼らの勇姿を決戦の地で見ることができるだろうか――。

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