マンチェスター・シティの中核が語る「大波乱プレミア」の戦い方 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

 第24節までに5ゴール・9アシストを記録しているデ・ブルイネは、マンチェスター・Cの攻撃に奥行きと深みをもたらした。自己中心的なプレーに走ることなく、「利他性」も持ち合わせ、実力派ぞろいのチームで潤滑油として機能している。

 一方のスターリングは、5ゴール・2アシスト。数字はそこそこだが、それ以上にケタ違いのスピードをマンチェスター・Cの攻撃に注入した。「彼らがチームに新しい風を注ぎ込んだ。シティは力を伸ばしている」とフェルナンドが活躍に目を細めれば、ナバスも「ケヴィンのテクニック、ラヒームの速さは賞賛に値する。ふたりのおかげでアタックの威力は倍増した」と、戦力の上積みがパフォーマンスの向上に一役買っていると話す。

 だが、一定の感触を掴みながらも、チームの継続課題が今季も顔をのぞかせていることは事実である。そのひとつが「安定感の欠如」。第6節のウェストハム戦(1-2)や第12節のアストンビラ戦(0-0)、第15節のストーク・シティ戦(0-2)と、勝ち点3を獲得すべき試合で不覚をとる場合が少なくないのだ。

 この悪癖は昨季も露呈し、勝利が期待された試合で勝ち点を取りこぼし、結果としてチェルシーにタイトルを奪われた。特に、故障の多いFWセルヒオ・アグエロとDFヴァンサン・コンパニの不在時はこの傾向が顕著に現れ、フェルナンドも「強豪クラブとの一戦に勝利したが、勝ち点3が欲しい試合でポイントを落とした。昨季はそこが勝負を分けた」と語り、克服すべきポイントであると指摘している。

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