派手なのは中国だけ。欧州の移籍市場がショボかった2つの理由 (2ページ目)

  • 中山淳●Nakayama Atsushi photo by Getty Images

 ひとつは、レアル・マドリードとアトレティコ・マドリードが、18歳未満の選手獲得や選手登録の規定に違反があったとして、FIFAから2016年夏と2017年冬の移籍期間における補強禁止処分を言い渡されたことに端を発する。また、チェルシーも同じ違反があるとされて調査対象となったことで、一時、冬のマーケットは一気に騒がしくなった。

 ところが、FIFAの処分はクラブが上訴したために延期となったことで状況が一変。チェルシーへの調査も進展せず、資金力のあるこれらのクラブがこの冬に急いで動く必要がなくなったというわけだ。

 もうひとつは、大物監督の動きだ。

 今シーズンはチェルシーを指揮していたジョゼ・モウリーニョが解任され、シーズン途中でバイエルンがジョゼップ・グアルディオラ現監督の今シーズン限りの退任を発表。すでに来季からカルロ・アンチェロッティが指揮を執ることが決まるなど、ビッグクラブがこの冬に動きにくい状況ができ上がっていたのだ。

 ビッグクラブを渡り歩く大物監督が今年の夏に動くとなれば、当然その動きに従って大物選手も動く。ルイス・ファン・ハール監督の解任の噂が絶えないマンチェスター・ユナイテッド、ラファエル・ベニテスに代わってジネディーヌ・ジダン新監督が就任したばかりのレアル・マドリード、モウリーニョに代わってフース・ヒディンクが新監督に就任したチェルシーなど、資金力のあるビッグクラブの来シーズンの体制がはっきりしない中では、大物選手が動くわけもなかった。

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