初戦はベンチも、山口蛍がハノーファーの力となるときは近い (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 また、山口のポジションは守備的なMF。小回りが利きテクニックが高い日本人が重宝される攻撃的MFやサイドバックと比較すれば、それほど需要が高いわけではない。さらに欧州の移籍市場では23歳が選手獲得の大きな目安とされており、25歳を迎えた山口の市場における価値は決して高くはなかった。

 そんな中、山口に最も早く声をかけたのがハノーファーだった。すでにチームには在籍4年目の酒井宏樹、背番号10を背負う清武弘嗣という2人の日本人選手が在籍しており、日本人に対しては好意的な印象を抱いていた。

 昨年の10月には、ニュルンベルクの前スポーツディレクターとして、清武と金崎夢生を獲得したマルティン・バーダー氏がハノーファーにやってきた。バーダーSDは清武がドイツにやってきた2012年の段階から山口にも目を付けていたようで、残留争いに苦しむチーム状態もあって動きは速く、前半戦が終了した2日後にはハノーファーへの加入が発表された。

 もう少し待てば他クラブからオファーが届く可能性もあったという山口には、ハノーファーへの移籍を後押しする要素があった。それが清武の存在だという。

「セレッソでキヨ君と一緒にやっていて、一緒にプレーした時間は長くなかったので、また一緒にやりたいという気持ちもありました」

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る