ペップの後任はアンチェロッティ。バイエルン監督交代は吉と出るか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 スペイン人選手を重用したのも特徴だった。バルセロナからチアゴを伴い、2年目にはレアル・マドリードからシャビ・アロンソを獲得した。グアルディオラの前年に加入していたハビ・マルティネスは安定した活躍のチャンスを得た。ハインケス時代には不遇だったラフィーニャも、監督交代によって大きく評価が変わった選手だった。出場機会を増やすと試合勘を取り戻し、日に日に質の高いプレーを見せるようになった。彼らはグアルディオラに厚い信頼を寄せている。

 今季、バイエルンはフランス代表キングスレイ・コマンやチリ代表アルトゥーロ・ビダル、ブラジル代表ダグラス・コスタといった新加入選手を迎えた。圧倒的な選手層を誇るのは、資金力だけでなく、指揮官とそのサッカーの魅力によるところも大きかったに違いない。

 アンチェロッティが監督に就任することで、そのサッカーは大きく変わるはずだ。グアルディオラが「100パーセントのポゼッションが理想」というような、圧倒的な試合支配を見ることはなくなるだろう。時間帯と状況によって見せる、1バック、2バックという超攻撃的布陣も見られなくなるだろう。アンチェロッティの"オーソドックスな戦い"を見れば、昔に戻ったような感覚に陥るかもしれない。

 バルセロナで3冠を達成している名将に求められたのは同じ結果だったが、過去2シーズン、リーグを連覇したものの、チャンピオンズリーグ(CL)制覇はならなかった。リーグ戦を独走している今季、バイエルンとしては何としても手に入れたいタイトルだ。

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