武藤嘉紀、マンチェスター・U移籍報道の裏にある「2つの事実」 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 その最大の原因とされるのが、ストライカーの不在だ。本来エースのはずのウェイン・ルーニーが極端なパフォーマンス低下に陥ると、指揮官は鳴り物入りで加入した19歳の至宝アントニー・マルシャルを1トップに抜擢。しかし、華々しくデビューを飾ったマルシャルも名門のエースに君臨するには時期尚早で、結局、解決策を見つかられないままシーズンの折り返し地点を迎えてしまったのである。

 武藤のマンチェスター・U入りの噂が立ったのは、そんな大不振の渦中にある"赤い悪魔"の指揮官に対して逆風が吹いている時期だった。そのため、地元ファンもそのニュースにある部分では納得できたのではないだろうか。

 仮に武藤がマンチェスター・U入りした場合、もちろん期待されるのはストライカーとしての仕事、つまり1トップとして得点源になることだ。

 今シーズンのファン・ハール監督は4−2−3−1をベースにチーム作りを進めているが、トップ下で起用されているのはフアン・マタやアンデル・エレーラといったチャンスメイクを得意とするタイプ。細かいパスを得意としないマルアン・フェライニがトップ下に入った場合は別として、基本的にはマインツでマリとのコンビネーションが向上している武藤にとってプレーしやすい環境にある。

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