武藤嘉紀、マンチェスター・U移籍報道の裏にある「2つの事実」 (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 加入当初は、先輩ストライカー・岡崎慎司(現レスター・シティ)の後継者としてクラブから期待をされてはいたものの、どちらかと言えば即戦力ではなく、育成枠的な意味合いの濃い移籍だった。実際、開幕前からマルティン・シュミット監督もことあるごとに、「彼の才能に疑いの余地はないが、まだ若いしドイツでの経験が不足している。フィットするまでには時間がかかるだろう」と公言。過度の期待は禁物だと、武藤の起用に慎重な姿勢を見せていた。

 ところが、いざフタを開けてみると、開幕戦は後半33分から途中出場。続く第2節のボルシアMG戦ではスタメンに抜擢され、後半アディショナルタイムまで出場を果たすと、ストライカーとして十分に存在感を示すことに成功したのである。

 そして迎えた第3節のハノーファー戦。武藤は自ら2ゴールをマークするとともに、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに輝く活躍ぶりでチームの勝利に貢献。これをきっかけに指揮官とチームメイト、そしてサポーターからの信頼を手にした武藤は、以降1トップのポジションを確保し、第11節・アウクスブルク戦のハットトリックを含む計7ゴールを挙げて、シーズンの前半戦を終えたのだった。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る