武藤嘉紀、マンチェスター・U移籍報道の裏にある「2つの事実」

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

「マインツ武藤、移籍金26億円でマンチェスター・ユナイテッド入りか?」

 年の瀬も押し迫った2015年のクリスマス、複数の英国メディアが一斉に報じたこのニュースは、日本中のサッカーファンを驚かせたに違いない。

欧州挑戦わずか半年で「赤い悪魔」の目にとまった武藤嘉紀欧州挑戦わずか半年で「赤い悪魔」の目にとまった武藤嘉紀 たしかに1月の移籍マーケットの時期には、数えきれないほどの移籍関連ニュースが飛び交うのがサッカー界の常だ。ただ、真偽のほどは別として、この手のニュースに日本人の名前が挙がるケースはそれほど多くないだけに、サッカーファンにとっては胸躍るクリスマス・プレゼントになったのではないだろうか。

 とはいえ、火のないところに煙は立たない。何の脈略もなく、このようなニュースを地元メディアが報じるわけもないのである。少なくとも、マンチェスター・Uが武藤嘉紀を欲しているという文脈のなかには、地元のサッカーファンがうなずけるような材料が存在している。

 その裏付けとなっているのは、主に2つの事実にある。ひとつは、武藤がこの半年間、マインツで残した実績。そしてもうひとつは、ルイス・ファン・ハール監督率いるマンチェスター・Uが、極度の得点力不足によって成績不振に陥っている点だ。

 まず注目すべきは、武藤のマインツにおけるパフォーマンスである。

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