「俺にパスしてくれ」。苛立ちあらわな岡崎慎司が見せた必死の動き (4ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 もちろん、岡崎がハードワークや献身的な動きを捨てたということではない。プレーする上での意識や比重を、「ゴールを挙げること」に移すことで、今、置かれている状況を打破しようとしているのだ。

 たとえば、ペナルティエリア内でボールを受ければ、迷わずシュートを打つ。フリーで待っていてラストパスが出てこなければ、味方に強く要求する。あるいは、74分のシュート場面のように、トラップせずにダイレクトでシュートを打つ......。こうした意識の変化を、岡崎は「開き直る」と表現したが、別の言い方をすれば、結果が重視されるプレミアリーグに合わせて思考回路を切り替えたと言えるのかもしれない。

 たしかに、この試合でゴールは奪えなかった。しかし、貪欲に、そしてなかば強引にゴールを目指そうとする意識を高めたことは、長い目で見れば、プラスに転じる可能性はある。

 折りしも、エースのジェイミー・バーディーが鼠径(そけい)部の手術で約2週間離脱するとの報道がなされている。レスターとしてはピンチだが、岡崎としては風向きを変えるチャンスである。

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