「俺にパスしてくれ」。苛立ちあらわな
岡崎慎司が見せた必死の動き

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 得点が必要な場面で投入されたことで、ゴールへの意識を高く持っていた岡崎だが、この日のプレーや言動に変化が見えた理由は、これだけではない。前節のマンチェスター・シティ戦から中3日でボーンマス戦を迎えながら、2試合連続でベンチスタート。代わりに先発したのは、FWレオナルド・ウジョアだった。しかも前半を0-0で折り返すと、後半の頭から投入されたのは岡崎ではなく、サイドアタッカーのMFネイサン・ダイアーだった。

「これまで、途中から試合に出ても流れを変えたつもりでいたし、チームの役に立っていると思っていた。でも、今日の試合で言えば、自分よりも先にダイアーが交代で入った。エバートン戦でゴールを決めてからあまり時間は経ってないのに、こういう使われ方をするわけじゃないですか。ということは、そんなに信頼されてないってこと。ハードワークもみんなしているので、そこまで評価されてない。

 でも、(そういう献身的な動きが評価されないなら)逆に開き直りやすい。だから、使ってもらえたときは、『絶対に点を獲る』って感じにスタンスを変えた。だから今日は、ちょっと感情的に少し大げさでも、『パスを出して欲しい』って気持ちを出そうと思っていた。なんか必死な自分というのは、ちょっと恥ずかしいんですけど、サッカーだけは必死になっていいかなと」

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