山口蛍ハノーファーへ。清武弘嗣が望んだ「俺みたいなボランチ」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 今季は現在のところ勝ち点14で17位。11位インゴルシュタットが勝ち点20だから、連勝すれば一気に中位まで順位を上げることはできるとはいえ、昨季までのハノーファーにあって、今季はないものがある。

 まず数人の主力がチームを去った。8得点をあげたジョゼルはストークへ、MFビッテンコートはケルンへ移籍した。

 清武弘嗣の長期にわたる不在の影響も大きい。小柄でテクニカルな攻撃的MFはチームメイトの信頼を一手に引き受けており、主将以上の存在感があった。PKなどは「まあ俺が蹴りますし。外さないです」とふてぶてしく語っていた。酒井宏樹は「みんなキヨくんを気持ちよくプレーさせることを考えている」とまで言う。ハノーファーで中心選手としてプレーすることが清武自身の成長につながっていることも間違いない。

 その清武が望んでいたのが「俺みたいなボランチ」だった。11月6日、敗れたヘルタ戦。清武は試合後半からボランチに回ると、バランスを見ながら起点を作っていった。いつもはその1枚前でプレーする清武は「まさか俺がやるとは思ってなかったけど」と言いながらも、「ああいうボランチが欲しいですね」と語っていた。

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