マインツ武藤嘉紀、ヘルタ原口元気が今季前半戦を振り返る (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 一方、武藤嘉紀にも、前半戦が終わったという安堵感はあった。新加入ながらここまで7ゴール。だが、納得はしていない。

「チャンスの数から考えると納得いかない。決め切っていれば10得点は超えてたと思う。フォワードである以上、自分の価値を高めること、(チームを)上位に上げることをもっとやっていかないと」

 一時は10~11シーズン、ドルトムントに加入した香川真司が記録した8ゴールをあっさり抜くかと思われたが、終盤はペースが落ちた。シュミット監督は「(武藤にとって)長くタフなシーズンになっている感じがある」と、目に見えない疲労がたまっていることを指摘していた。

 開幕戦以外、すべての試合に先発したものの、ここ5試合は連続で途中交代。疲労を考慮されたこともあるし、戦術的理由もある。「自分は疲れていなくても、外からそう見えるなら、何か変えなくては……」と深刻そうに語ったこともあった。

 印象的だったのは「絶対的な存在に」「自分の価値を高める」「マインツのエースとして」といったフレーズが出るようになったことだ。自分に課している課題の大きさが感じられた。

「見てる人からしたら、最初の年でよくできたといわれるかもしれないが、納得はいってないし、もっとやらなきゃという思いがある。器用貧乏にならないように。絶対的なエースとして見られるように」

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