今日は点を獲るぞ。ラニエリを驚かせた岡崎慎司の「意識改革」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by Getty Images

「ああいうところでパワーを使えるようになったらいい。今までは受けることばかり考えていたけど、そうではなくて、前に行ったときに力を発揮するのが大事かな」

 このほかのシーンでも、ニアサイドに突っ込んでクロスボールを引き出したり、スペースに抜け出してチャンスを呼びこんだりと、最後までアグレッシブに動き続けた。得点場面以外でも、リターンパスが入れば決定機になりそうな場面は、少なくとも4回。岡崎自身は「点を獲っていなかったら何もしていない」と振り返っていたが、試合翌日のイギリス紙『サン』は、両チームを通じて最高点となる8点(10点満点)の高評価を与えた。

「効果的にプレーしていても、最終的に前に行けないことがよくあった。それよりも、今日はミスをしてもいいから前を向くことばかり考えていた。ミスがちょっと多かったけど、その分、今日は点を獲ろうという気持ちが強かった。本当にそれが実って良かったという気がしますね」

 しかもこのエバートン戦では、第3節のトッテナム・ホットスパー戦以来となる先発フル出場を果たした。8月22日以来となるフル出場のせいか、囲み取材中の岡崎は絞り出すような声で、「いやぁ、疲れたぁ。きつかったぁ」と口にして、その場に座り込んでしまった。「ペース配分というか、70分くらいから『自分が交代するやろ』と思っていたんです。全然余裕がなかった」と語るように、全力を出し切った様子だった。

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