名将クロップ新体制でリバプールはどう生まれ変わったのか? (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 こうした前向きな変化に、イギリスメディアの論調もクロップの影響力を称えるものが多い。公共放送の『BBC』が「敵に脅威を与えている。クロップがリバプールに新鮮な息吹をもたらした」と伝えれば、イギリス紙『ガーディアン』も「就任時に13位だったチームを、わずか3年でリーグ王者へ仕立てたドルトムント時代を思い起こさせる」と期待を込めてつづる。

 また、イギリス紙『デーリー・メール』は「リバプールは今、ハングリーさを前面に押し出したサッカーを展開している。それは名門リバプールで、ここ数十年も見られなかったことだ」と賞賛。現解説者でクラブOBのジェイミー・レドナップにいたっては「選手たちが別人のように変わった。クロップは魔法の杖を持っているようだ」とまで語っている。

 とはいえ、もちろん課題がないわけではない。降格圏に沈むニューカッスル・ユナイテッドに不覚をとったり(12月6日)、堅牢な守備ブロックを敷いたWBAにかろうじて引き分けたように(12月13日)、パフォーマンスに波があるのはそのひとつだろう。しかし、痛みなき改革がないように、成長過程での困難はつきものだ。長い目で見れば、クロップ政権は順調に歩み出したと言っていいだろう。

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