いら立つ香川真司、微笑の長谷部誠。
日本人対決は勝敗と逆の顔に

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「(先発は)監督が決めることなので、選手としては悔しいですけど、切り替えてやるしかなかった。試合に勝ってまずは良かったと思います」 

 それでも途中出場の香川は、好プレーを連発した。フランクフルトに動きが少なく、スペースを与えてくれることもあったが、中盤で出場しながら再三ゴール前に入る動きを見せた。

 後半12分、中盤からギュンドアンとのワンツーで抜け出し、ゴールライン際で追いつくとマイナスのボールを入れる。オーバメヤンはこれを難なく決め逆転に成功する。続く3点目も、ショートコーナーからミキタリアンのパスを受けると、やはりゴールライン際からマイナスのパス。これをミキタリアンがつなぎ最後はフンメルスが左足で押し込んだものだ。勝利への貢献度は低くない。

「(2点目は)いい形で崩せたと思いますし、イメージの共有が大事なので、それがしっかりと結果に表れて次につながると思います。得点に絡むことにこだわってやれていますし、次もまたしっかりそういうところを準備してやっていきたいと思います」

 そう語る香川だが、声のトーンはいまひとつ冴えなかった。香川の場合、「全試合先発フル出場」をベストと考え、それに耐えうるコンディション調整を行なっている。どれだけいいプレーを見せても、貢献度が高くても、先発で使って欲しいという気持ちが勝るようだ。

 ふたりの日本人選手の対照的な様子が印象的な一戦だった。

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