最後までベンチでも「本田圭佑は手放せない」というミランの声 (3ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 チーム全体のモチベーションの他にも、この試合では攻撃に問題があったようだ。ニアングはケガから復帰後、またたく間に重要なポストを勝ち取った。ルイス・アドリアーノもピッチに入ればチームに活気を与え、敵を危険に陥れる。しかしもう一人のストライカーの活躍が見られない。そう、この夏最も高い金額を払ってミランが手に入れたコロンビア人のカルロス・バッカだ。

 11月1日のラツィオ戦を最後に、彼のゴールは1ヶ月以上ない。このことはミランの不調と直結している。ラツィオ戦以降、ミランは4試合でたった勝ち点5しかあげていない。

 バッカはカルピ戦でも調子が悪く、90分間でたった28回しかボールを触らなかった。彼よりもGKのドンナルンマの方が35回とボールタッチの回数が多かったぐらいだ。つまりバッカはゴールができず、プレーにも参加できないストライカーと言わざるを得ない。

 しかし彼が活躍できないのはチーム全体の責任でもある。どんな優秀なストライカーでも、チームがそれを支えてくれなければゴールはできない。ストライカーがボールを持てば必ずゴールできるような、そんなシーズンもある。それはオフェンス全体がいい動きができている時だ。データは今のミランが危険な状態にあることを示している。ここまでの15試合中、ミランは7試合で無得点である。これは今シーズンのセリエAの中でも最低の数字だ。

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