最後までベンチでも「本田圭佑は手放せない」というミランの声

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 しかし同時に、反対の見方をする声も聞かれるのだ。ここまでミランがなかなか得点できなかったのを見て、ミハイロビッチはルイス・アドリアーノ、バッカ、ニアングからなる攻撃陣により重きを置くようになった。しかしあまり攻撃ばかりに偏ってもならないので、うまくバランスを保つために試合の最後に本田を使っているという意見だ。つまり出場時間は短いものの本田は重要な役割を果たしていて、手放すことはないというのである。

 カルピ戦でミランが目指していた結果はただひとつ、勝利だった。ミランにとっては順位を上げるまたとないチャンスだったし、首位だったナポリが下位のボローニャに敗れるというハプニングで、多くのチームにチャンピオンズリーグ圏内入りのチャンスが訪れたからだ。しかし結果は0-0の引き分け。試合後のミハイロビッチのコメントは明確で直接的だった。

「我々はあらゆる方法で勝利をモノにしようとした。しかし結果的には2ポイントをむざむざ捨てることとなってしまった。勝たなければいけない試合で勝つことができなかった。しかし今は次の試合に向けて集中すべきだ。そうでなければもっとひどいことになる。私は怒ってはいない。ただ残念なだけだ。ミランには勝つために必要な悪辣さ、何が何でも勝つという気持ちが欠けていた」

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