ドルトムントの香川真司。「劇的すぎる」スーパー決勝ゴールの意味 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 しかし、後半45分のロスタイム直前。ドルトムントは、シュールレの突破をペナルティエリア内でピスチェクが止めた際に手がかかっていたとして、PKを与えてしまう。これをロドリゲスが決めて土壇場で同点に。レベルも負荷も高い試合での後半45分の同点弾に、ドルトムントの選手たちはがっくりと肩を落とした。だが、そのなかにあって後半10分から途中出場していた香川はめげなかった。

「みんなもう、"あー"っていう感じでしたけど、僕は途中出場でもあったし、何かしなきゃいけないという気持ちがあった。楽観視といったら変ですけど、悲観的にはなってなかったので。だから最後、(チャンスが)あるぞと思って」

 決勝弾が生まれたのは3分間のロスタイムだった。途中出場でも、すでに疲れを抱えていたと明かす香川が中盤で右に開いた。右SBのピスチェクは左サイドに展開し、ミキタリアンが余裕を持ってダイレクトで折り返すと、走り込んだ香川が左足でゴール右隅に流し込んだ。

「タイミング的にもイメージ通りだったので、集中して抑えて流し込んだ」と、香川はそのシーンを振り返る。勝ち越しに喜びすぎたトゥヘル監督は退席を命じられ、ほどなくして試合は終わった。

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