今季初フル出場のミラン本田圭佑。「カップ戦要員」に活路を開く (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 夏のキャンプが始まった直後から、ミハイロビッチはニアングに信頼を寄せ、大きな期待を寄せていた。しかし8月のプレシーズンマッチで負傷。ミハイロビッチは大事を取って彼が完全復帰するまでレギュラーに入れなかった。そして彼が完治したとみるや、まずは3トップのサイドアタッカーとして起用。そして今シーズンのミランの攻撃の要であるカルロス・バッカとコンビを組ませた。

 サンプドリア戦でニアングは1アシスト2ゴール(ミランでの初ゴール)の大活躍。なによりチーム全体に活気と闘志をもたらした。この日のミランはどこのポジションも自信にあふれ、集中力も90分間途切れることがなかった。これこそミハイロビッチが目指してきたチームのあり方だ。それは試合後の記者会見での発言からもうかがえた。

「我々はいい試合をした。誰もが最高の力を出していた。ユベントス戦でのひどい試合から我々は立ち直る必要があり、私はシステムを変えた。幸いにも3人のアタッカーはみな好調だった。ユベントス戦のミランは相手陣内でボールをキープできなかったが、今日はトップが増えたため、それだけ攻撃力が強くなった」

 これからクリスマス休暇に入るまでの3試合、ミランはカルピ、ボローニャ、フロジノーネと、連続して下位のチームと対戦する。もちろん目標は全勝だ。これが実現すれば大きく順位を上げることも夢ではない。大きなチャンスだといっていい。

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