今季初フル出場のミラン本田圭佑。「カップ戦要員」に活路を開く

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

オフィシャル誌編集長のミラン便り2015~2016(13)

 4-4-2と4ゴール。セリエA第12節ミラン対サンプドリア戦を象徴するのはこの2つだ。ミランは新システム4-4-2を用いて、みごと4-1の大勝を手に入れた。

 シニシャ・ミハイロビッチ監督は新たなシステムを試す相手に、昨シーズンまで自分が率いてきたサンプドリアを選んだ。サンプドリアで良い結果を出したからこそ、今のミランのミハイロビッチがあるといっても過言ではない。
 
コッパ・イタリア、クロトーネ戦にフル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS)コッパ・イタリア、クロトーネ戦にフル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) システムを4-4-2に変えることを、ミハイロビッチは数週間前から予告しており、これがミランのフォーメーションの最終形になるとも言っていた。最終形であるから失敗は許されない。そのため導入には非常に慎重だった。

 その不安を払拭したのがバッカ、ルイス・アドリアーノ、ニアングといった好調の攻撃陣だ。特に若手のニアングは勝利に大きく貢献した。ニアングは昨年の1月にレンタル先のジェノアから大きく成長して戻ってきた。まだ18歳だったニアングをミランがフランスのカーンから獲得した時、すでに才能の片鱗はうかがえたが、ジェノアのガスペリーニ監督のもとで、彼はひと回りも、ふた回りも成長した。ガスペリーニは若手を伸ばすのに長けた監督なのだ。

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