ハリルホジッチも熱望?宇佐美貴史がマルセイユにチャレンジする価値

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi  藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

 正式名称「オランピック・ドゥ・マルセイユ」は、通称"OM"として知られるフランス国内ナンバーワンの人気を誇る名門クラブだ。過去9度のリーグ優勝を果たした南仏のビッグクラブは、1980年代後半から1990年代初頭に黄金期を迎え、1992-1993シーズンにはチャンピオンズリーグ優勝を果たしている(後に国内リーグ戦における八百長事件が発覚したためタイトルは剥奪された)。

 最近では元マルセイユの名手で、現フランス代表監督のディディエ・デシャンがチームを率いた時代(2009~2012年)にもリーグ優勝1回、リーグカップ3連覇という偉業を達成。また、タイトル獲得こそ実現しなかったが、昨シーズンはアルゼンチンの名将マルセロ・ビエルサが指揮を執り、スペクタクルサッカーで国内を席巻したことも記憶に新しい。

 常に世間の注目を浴び続けるマルセイユは、カタール資本で黄金期を築くパリ・サンジェルマンを目の上のタンコブとしているが、それでも国内の人気ナンバーワンの座は譲っていない。特にサポーターのクラブに対する忠誠心は特筆すべきで、来年のユーロ開催のために新装オープンした本拠地「ヴェロドローム」の熱い雰囲気は欧州屈指レベル。「結果が出なければ即暴動」という気性の荒さは玉にキズだが、あのサポーターの大声援は体感した者でなければわからないほどの熱狂度だ。

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